【特別インタビュー】登録者65万人超「ママワークス」立ち上げの裏側と、在宅ワーカーが“選ばれる”ためのリアル

【特別インタビュー】登録者65万人超「ママワークス」立ち上げの裏側と、在宅ワーカーが“選ばれる”ためのリアル


株式会社アイドマ・ホールディングス 奥澤氏 × 当協会代表理事 江﨑まゆみ

現在、登録者数65万人超を誇る、働く時間と場所を自由に選べる在宅ワーク特化型求人サイト「ママワークス」。今でこそ「在宅ワーク」は一般的な働き方となりましたが、その道を切り拓いてきた先駆者がいます。

今回は、株式会社アイドマ・ホールディングスでママワークスの立ち上げに深く貢献された奥澤さんに、当協会の代表理事である江﨑まゆみが直接お話を伺いました。誕生のきっかけからコロナ禍での急成長、そして「在宅ワーク市場で活躍し続けるためのリアルな視点」まで、たっぷりと語っていただきました。

株式会社アイドマ・ホールディングス東京本社にて


オフィスの“物理的限界”がもたらした逆転の発想

——まずは「ママワークス」を立ち上げたきっかけを教えてください。

奥澤さん: 実は、最初から社会的な意義を掲げてスタートしたわけではないんです。もともとは、当社自身の「採用課題」を解決するための施策でした。

2015年頃、当社のコールセンターでは毎月100人規模の採用が必要でした。しかし、オフィスには50人しか入らないという物理的な限界があったんです。採用の質を下げるべきか、それとも沖縄などに新しいコールセンターを作るべきか……。社内で議論が交わされる中、私がふと言ったんです。

「そもそも、会社に出社しなくてもいいんじゃないですか?」と。

世の中には、自分よりも仕事ができる優秀な人がたくさんいます。何らかの理由で「出社できない」だけで、能力が高い人は必ずいるはずだと考えました。そこから当時新卒だった私が「言い出しっぺ」として、ゼロから求人媒体を作り、在宅ワークという仕組みを構築していくことになりました。

コロナ禍による急激な変化。「何としても期待に応える」先駆者の覚悟

——最初は無料掲載からスタートし、泥臭い営業で事業化を進められたそうですね。そしてコロナ禍で時代が大きく変わりました。

奥澤さん: ええ。当時は「なぜ在宅ワークを導入しなければいけないのか」と言われる時代でしたが、5年、10年先の未来が一気に早まりました。在宅ワークが社会から猛烈に必要とされるようになったんです。

当時の社員は10人ほど(私自身は新卒5年目)。社会からの需要が爆発し、ご依頼も跳ね上がりましたが、同時に人も手も圧倒的に足りない怒涛のような状況でした。

しかし、「ここを逃したら、業界のトップ、第一想起の存在にはなれない。何としてもこの需要を受け止めよう」とチームを鼓舞しました。メンバー全員が限界まで力を振り絞り、若手も必死に仕事を巻き取っていくようなギリギリの日々でしたが、チーム一丸となってなんとか乗り越え、在宅ワーカーのサポートと企業の構築支援を確立させることができました。


在宅ワークは「出社より難しい」。活躍できる人の共通点

——ここからは現在の市場について伺います。在宅ワーク市場が拡大する中で、活躍し続けられる人の共通点は何だと感じられていますか?

奥澤さん: 一言で言えば「自己管理(セルフマネジメント)能力」です。

極端な話、出社していれば、セルフマネジメント能力が低くても環境や会社がマネジメントしてくれます。誰かがモチベーションを管理してくれるんですね。しかし在宅ワーカーは、朝起きる時間から業務の進め方まで、すべて自分の意思決定で行わなければなりません。自分で自分の管理ができない人は、どこかで壁にぶつかります。

——「家で働けるから楽」というわけではないのですね。

奥澤さん: むしろ「出社より難しい」です。在宅ワークというのは、社会人としての基礎能力を身につけ、出社という環境で継続力をもって努力してきた結果として「許される選択肢」だと私は考えています。

だからこそ、働く前の準備や、自分は何ができて何が課題なのかという自己理解ができている人が、結果的に在宅ワーカーとして長く活躍できていますね。

ミスマッチの本当の理由は、業界全体の「成熟度」にある

——一方で、企業とワーカーの間でミスマッチが起きることもあります。この背景には何があると思われますか?

奥澤さん: これはワーカー個人の責任というよりも、業界全体の「成熟度」の問題だと捉えています。

現状、仕事を依頼する企業側も在宅ワーカーを活用した経験が少なく、「どう指示を出せばいいのか」「どのくらいの報酬が適正か」「ワーカーのスキルをどう見極めるか」といった手段を持っていません。言うなれば、業界全体がまだ未熟で、どうやったら上手くいくのかを模索している“よちよち歩き”の段階なんです。

——誰もが怪我をしながら、正解を探している状態なのですね。

奥澤さん: その通りです。だからこそ私たちの役割は、企業への経営コンサルティングを通じて、企業側のルール作りやサポートを行い、この「成熟」を早めることなんです。会社経営における選択肢を広げるサポートをしていくことが、結果的に在宅ワーカーの皆さんが活躍できる場所を増やすことに繋がっていきます。

魔法はない。自分の努力で「勝ち取っていく」姿勢を

——最後に、これから在宅ワークを目指す方に向けて、応援メッセージをお願いします。

奥澤さん: 厳しい現実をお伝えすると、「何の努力もせずに、家で仕事ができて十分な収入が得られる」という魔法のような環境はありません。しっかりと努力すること、そして自分に合った場所を自分の手で勝ち取っていく姿勢が必要です。

私たちアイドマ・ホールディングスは企業側のコンサルティングがメインのため、どうしても企業視点が強くなり、スキルのミスマッチがあればシビアな判断をせざるを得ないこともあります。

しかし今の社会には、皆さんの努力を支援し、私たちがカバーしきれない部分をすくい上げて伴走してくれる協会や団体が増えてきています。そうした機関をうまく頼りながらスキルを磨く人が増えることで、業界全体の成熟度も上がっていくはずです。

自然に手に入るものではありません。ぜひ、ご自身の努力で新しい働き方を勝ち取ってください。


【当協会 代表理事 江﨑まゆみ:インタビューを終えて】

「出社しなくてもいいのではないか」という奥澤さんの逆転の発想から生まれたママワークス。直接お話を伺い、奥澤さんの言葉からは、在宅ワークが「楽な働き方」ではなく、努力と自己管理の先にある「新しいキャリアの形」であることが強く伝わってきました。

業界全体が成熟していく過渡期にある今、ワーカー一人ひとりの「準備」と「継続力」が、理想の働き方を勝ち取るための最大の武器になっていくとあらためて感じました。

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